キラー・カール・コックスは、ブレーンバスターの元祖として知られている。
相手の脳天を垂直にマットに叩きつける危険な必殺技で、コックスのブレーンバスターは一撃必殺のフィニッシュホールド。
ルー・テーズのバックドロップ、カールゴッチのジャーマンスープレックスホールドと並ぶ、必ずスリーカウントが入るフィニッシュホールドだった。
空中で真っ逆さまに相手を抱え上げ、自分は尻もちを付くように・・・、尻もちとスライディングの中間のような感じで、自分は倒れ込みながら、相手のタイツをしっかりとグリップして脳天を叩きつけていた。
必ず自分が尻もちを付いて、安定した体勢になってから、相手の脳天をマットに叩きつける。だから相手には、絶対にケガをさせなかった。
分かりやすい、リアルな必殺技だった。本当に痛そうな、本当に失神しそうな技だった。その説得力は抜群だった。
最初にこの技を受けた日本人レスラーが、プロ中のプロだった吉村道明だったというのも頷ける。
当時、同じぐらいに分かりやすい・・・、小学生の私にとっても分かりやすかったのは、キラー・バディ・オースチンのパイルドライバーだった。
オースチンのパイルドライバーは相手を抱えて叩きつけるのではなく、相手のタイツを引っ張りながら叩きつけるものだった。
抱えるタイプのパイルドライバーは、仕掛ける方のレスラーのお尻が、微妙にクッションになっている場面を多く見る。
引きずられるように叩きつけるパイルドライバーは、このクッションが無いに等しい。
コックス型のブレーンバスターも、オースチン型のパイルドライバーも、今は見ることがない技だ。
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もう一つコックスはプライベートで、喧嘩が強かったという噂もあったように記憶している。
そしてこの技を引き継いだのも、プライベートでもトンパチで喧嘩のエピソードが多かったディック・マードックというのも面白い。
体型も、かなり似ていた。
ところで先日YouTubeで、ボボ・ブラジルVSコックスを見た。古い映像で、ブラジルがベビーフェイス、コックスがヒールだった。
その時にコックスがブラジルに仕掛けたのは、ブレーンバスターではなくバーティカル・スープレックスだった。
やっぱりアメリカでは、禁じ手になっていたのか。それとも、ブラジルへの忖度があったのか。
そして日本プロレスのマットで、ジャイアント馬場VSキラー・カール・コックスと言えば、耳そぎチョップが定番だった。コックスの耳から、血も流れていた。
コックス戦以外で、あまり馬場の耳そぎチョップを見た記憶は無い。耳そぎチョップって、ヒールが使うような技だから。
当時の馬場のライバルだった、ボボ・ブラジル、フリッツ・フォン・エリック、ジン・キニスキーなどに比べ、明らかにコックスには陰湿なヒールの雰囲気があった。
凶器攻撃も多かったし。
だからこそ、コックスへの耳そぎチョップは盛り上がったのだろう。
レスリングスタイルは殴る蹴る、そしてエルボー中心だったが、ロックアップ一つにも迫力があった。殴る蹴るの「間」が、まさに昭和プロレスという感じだった。
コックスのブレーンバスターのように、決まれば必ず3カウントが入った技が出来たのは、当時の試合が3本勝負だったから成立したとも言える。



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